Salute+(サルーテピウ)

Futures

第2弾はトモクルーズが紹介する、唯一無二のカシミアシルク・ニット・ブランドである「Salute+(サルーテピウ)」

先にお伝えすると代表の淺野さんが「人間的に凄い。非常に魅力的」

商材であるカシミアシルク・ニットだけでなく、その人間性もお伝えできるようにテキスト化いたしました。

それでは、業界に革命を起こしつつあるSalute+代表:淺野勇人氏のインタビューをどうぞ。

 

 

 

Vol.2 Salute+(サルーテピウ)」

 

Q:そもそもの出会いは?

トモ・クルーズ:
_そもそもは親友から「カシミアシルクのニットブランドを一人でやっている面白い人がいるから、紹介できるよ」と言われまして。

  • 一着64,000円(税抜き)
  • ホームページなし
  • 店舗なし
  • 行商のみで販売を8年維持
  • 2017年にDistrict United Arrows(ディストリクト・ユナイテッドアローズ)で唯一取り扱いがあるけど、予約完売して店頭には並ばない
  • エルメスが商品化を諦めたと言う噂のカシミアシルクを持っている。

フツーに、謎すぎでしょ(笑)。

 

Q:たしかに。

トモ・クルーズ:
_過去にネットショップを立ち上げた経験がある私としても「ホームページ無し、行商のみ」って「はあ?」って(笑)。

だって、モノを売ろうとするセオリーとしては色々と間違いすぎているであろうと。行商のみで、なんでディストリクトで予約完売になるのって!?

そんなことがなぜ可能なになるのか?本当にそんな人がいるのか?」って。俄然興味が湧いて取材に向かった訳です。なので、今回の取材で初めてお会いさせていただきました。

 

(↑ランチしたSoul Grill)

 

Q:淺野さんからいきなりアトリエで会うよりも、ランチをご一緒にと提案されたそうですが。

Salute+ 淺野:
 本当にそんなヤツがいるのか?とよく言われるので、今回の件をお受けするには、商品のご説明させていただく前にクリアにしておいた方が良い事がやはりあるであろうと。

よく、“ 珍獣 ”扱いされるんです、私。

 

トモ・クルーズ:
_そこでズバズバ質問させて頂きまして。

話を聞けば聞くほど、現実感が徐々に湧いてきたというか…なんせ珍獣さんなんで、『本当に存在するのか?』って。僕からしたら未確認生命体ですよ(笑)。

同じ男として、商品よりも淺野さんのキャリア含んだところの生き様に惹きつけられてしまいまして。

だって、難関大学中退文化服装学院卒業「チャオ」しか言えないのに単身イタリアに飛ぶ4年下積み→デザイナーのアシスタント業務やミラノコレクションの裏方のバイト、日々舞い込んでくる洋服に関するあらゆる雑務をこなす→帰国して大手アパレルに転職Salute+(サルーテピウ)を立ち上げて一貫したスタンス(ホームページ持たないなど)を貫き続けて8年目ですよ。

 

Q:そのキャリアもさることながら、Salute+(サルーテピウ)のスタンスが気になります。

Salute+ 淺野:
 「ホームページない?、タグない?、店もない?、行商だけやる?、訳がわからないし、食えると思えない」ってお会いした方、全員言います。

でも、『食えるか食えないかを決めるのは俺の話なんで』って。コレで上手くいくという道筋を立てられたからやっているだけで。みなさんにとってはリスクだけですよね。

 考え方を変えれば”自分にしか扱えない素材がある“とも考えられるんです。それをメリットと考えるかリスクと捉えるかはこの素材に関わるデザイナー本人の感性の問題だと思うんです。

 「安い=売れる=リスク低い」「 高い=売れない=リスク高い」って良く言われるけど、僕は全くそう思ってない。

 1点が安くたって売り先も無いのに何千枚も作ればそれはリスクになるけど、高級品でもお客様からオーダー頂いた分だけ作れば在庫はゼロ。

 つまりリスクもゼロ。単純なハナシです。 アパレルにとって在庫とは内臓脂肪みたいなモノ 猛毒です(笑)

 

トモ・クルーズ:
_このストーリー聞くだけでも一着64,000円(税抜)が高く感じなくなっていく(笑)。展開はクルーネック、Vネック、タートルの3点ですよね?

 

 

(↑淺野さんのアトリエ)

 

Salute+ 淺野:
 丸首、Vネック、タートルしかなんでやらないの?って言われるんですけど、『え、何枚買ってくれるのお前が』って(笑)。『それ、やだなぁ』とか言っちゃうし。このスタンス続けると不気味に皆が思うみたいで

 「一着買ってみるか」って奴も出て来て(笑)。

 サラリーマン辞めた時に、『いい人』も辞めたんです。自分に嘘をつくのは辞めた。自分らしいか、らしくないか。

 独立して、やりたい事をやると決めた時に “自分の中で良い人”やる必要性がなくなってしまったんです。

 会社員をやってるからには関係性保たなきゃいけなかったり、物事を良好にしとくためにつかなきゃいけない嘘もあるじゃないですか?多少。

 あれを全くしなくなった。ストレスが限りなくゼロになった。人を立てるためにやらなきゃとか、自分はいい人をやめたし。「自分らしくいるように」って心掛けている

 

トモ・クルーズ:
 僕の仕事でもやっぱり類は友を呼んでると思います。嘘っぽい人は嘘っぽい人で集まってるなと。でも、淺野さんでも昔は“良い人”やっていた事もあるんですね(笑)。

 

 

(アトリエにてインタビュー中)

 

Salute+ 淺野:
 そりゃバイヤーやっているし、ウェーイみたいな(笑)。ただ、代理の買い物してるだけで、そのポストにいただけ。

取り巻きなんて、1つの会社に9年とか10年在籍して毎日ガッツリ連絡取り合っていたチームやお取引先だって会社辞めたら翌日から”もうほぼ会う事の無い他人“になるワケです。 コレが現実。

 「なーんだ、こんなものかい」と。「なんだ、一人も友達いなかったじゃーん。俺に価値ねぇな。俺も仕事も。じゃあ、いい人ぶるの辞めちゃう?」みたいな(笑)。

 ああ、やっぱ自分のライフスタイルは少数精鋭でいい。珍獣だけでいい。珍獣度合いが上の人たちでいい。

 もう知り合い増やしたいと思ってない。でも、そーやっているとですね、逆に珍獣が寄ってくるんですよ『なにやってるの?お前』って(笑)。

 マスに向かって声高に叫ばなくても、個人の検索能力が上がってるこれだけ昨今、妙な事やっていれば向こうから探して当ててくれる。

 フェイスブック・インスタを探し当ててくれる(笑)。で、実際来るんで。金かけないでやってるんです。

 今、おかげさまで北から南までのお客さまがいるんですよ。フェイスブックだけで。買って下さいもない。ただ、楽しそうに仕事しているのを出しているだけ。

 

トモ・クルーズ:
 そこ、何度聞いても凄いなぁと。

 

(アトリエ内のこだわりの品々)

 

Salute+ 淺野:
 口コミのポテンシャルをやりながら試している。良いお客さんからの情報の方が信用度高い。そう言う人たちの『コレが良い!』は届くと思う。

 自分の好きなものだけ扱えばいい。好きじゃないモノを分からせようとするからオカシくなるんじゃないの?って思います。

 やんや言われた事もあるんです。そんなビジネスは絶対成功しないと。

 でも『最初から売れない事にさほど落ち込まなかった。ただブレずに自分が大好きなニットの魅力を伝えれば良いとしか考えていませんでした

 やっぱり、分からない人は『(サルーテピウのニットは)高いよ、要らないよ』ってなりますから。

 

 

(自分がこのニットの大ファンと語る淺野さん)

 

トモ・クルーズ:
 普通っていたらあれですけど、数字として跳ね返って来ない状態が3〜4年続いたら、落ち込んで諦めてしまう人もいるかと思うんです。少なくても、僕ならば何かしら理由つけて早々に諦めてしまう。

聞きたいの聞いちゃいますけども、なんでメンタル保てたんですか?

 

Salute+ 淺野:
 幼少の頃にいろいろ経験したし、その後もうまく行きかけると必ずコケる事もあって、もう慣れているんです。

 “例えば自分に良くない事が起きたとして、仮にそこで下向いてネガティブになったらもっと良くない事が更に連鎖する。

 そんな時は先ず顔上げて笑うこと”って基本的に分かっているんですよ。楽しそうな人のところじゃないと人は来ない。

 だから、金銭的な所では何かあっても慌てない。結局わ~って騒いで売り上げ上がるなら幾らでも騒ぐけど、(拗ねて)大丈夫って言われるならやるけど、現実そうじゃないじゃないですか。

 学歴とか、収入とか、生活ベースとか、確かに存在するけども。ここで高得点とっても人生謳歌しているかと言うと、そこはまた柱が違うって事を見ちゃったから。

 

トモ・クルーズ:
 僕も30代で人生の方向を大幅にチェンジしたので、淺野さんが言っていることって分かる気がします。“悪いことになって、ネガティブになっても良い事起きない”って、仰って。

やっぱり人間て、目の前の事象や環境をどう考えるかで人生変わって来るなと。

 

Salute+ 淺野:
 お金がない時は動けないし、まぁ頼み込めばご飯食べさせてもらえる友達いたし、住む家があるし。

 だから、友人関係も縮小したし。だからその時はひたすらビジョンだけ考えていました。

 

 

(パッケージも驚くほどのクオリティ)

 

 

Q:ディストリクトでの取り扱いはどのような流れだったんですか?

Salute+ 淺野:
 ディストリクトに僕の友人がこのニットのMサイズを着て買い物に行った際に、何時も懇意にしている店長さんから”それ何処のニットですか?!”という洋服好きの“なんて事ない立ち話”がキッカケで。

あれよあれよという間に本社にて商談するチャンスを頂いた。

(*ここのやりとりが面白いんですがオフレコでということで。直接ご本人に聞いてください)

 で、普通に納品して、まぁそれが売れてくれて。ありがたい事に今では電話予約で売れちゃう。

 

トモ・クルーズ:
 それにしても、なんで電話予約で完売しちゃんですか?

 

Salute+ 淺野:
 ディストリクトのブログと、Penオンラインがクルチアーニ、ロロピアーナの並びに載せてくれて。

 このライターさんもディストリクトの顧客さんで。結果、電話予約で店頭に並ばず、3期連続消化率100%です。

 

Q:ウィメンズの取り扱いはあるんですか?

Salute+ 淺野:
 レディースも作ってます。森泉ちゃんがveryでサラリと『サルーテ・ピューのニット、週3で着てます』って。ある意味ライトな紹介ページで出たのがざわついて(veryの記事リンクはコチラ)。

 クレジットは載せなかったので、本気で欲しい人がフェイスブックまで辿り着いてくれて。そこから行商のお声が頂くことがあったり。

 

 

(確認できるだけで6色展開)

 

Q:さて、肝心のカシミアシルクニットについて少しお願いします。

Salute+ 淺野:
 日本では綿100%、ウール、カシミア100%は知られているけど、イタリアでは滅茶苦茶メジャーな素材なんですね。

 若い子は高いから買えないけど、僕らくらいの歳の人で、秋冬のメイン素材。ムートンとかカシミアが鉄板なんで、シルク・カシミアにも触れる機会もあって。

 

トモ・クルーズ:
 正直言って混用率カシミア70%・シルク30%のニットに触れたのがはじめてでして。「カシミア・シルクってこんな上品かつ絶妙な光沢感なんだ!」って。

そして、「なんだ!?この柔らかさと心地よさは!?」と。で、試着させて頂いて「気持ちいいし、なんで薄いのに温かいのだ?」と。

ウールハイゲージのタートルって、そこそこな値段取るのに首に負担かかる商品もある中、それが全くない。これはカシミアシルクの業なのでしょうか?

 

 

(↑クルーネックとタートル)

 

Salute+ 淺野:
 自分自身の体が「快適だ」と思う形(パターン)にしています。体感でも秋冬は2枚分の暖かさがあると思います。

そもそもこの素材で作った商品って、サラリーマン時代に手湿疹に苦しんでいた同僚のデザイナーに手袋を作ってあげたのが初めてで。

 カシミアシルクって肌荒れとか皮膚にお悩みある方にもいいんです

 

トモ・クルーズ:
 正直、カシミアって聞くとケアが大変そうですけど。

 

Salute+ 淺野:
 手洗いが製品への負担は1番少ないですが、弊社の製品は御自宅の洗濯機で洗って頂いても構いません。

*その際にはニットのみで洗われる事をオススメしております。

 クリーニングは溶剤につけてしまうので、肌疾患をお持ちの方の肌には良い事が1つもありません。

 ですからひと手間掛けてご自身で手洗い、もしくは御自宅の洗濯機で洗った後はキレイに整形して干す。守って頂く事はコレだけです。

 

Q:凄い…なんと言う自信。

Salute+ 淺野:
 そこがクオリティーです。商品タグ(洗濯タグ表示ラベル)はリスクヘッジなんです。自分たちで責任とれないからクリーニングに委託しているだけの話。本来なら『自分で洗いなさい』って。単純にサボりです。

 ニットを縮める要因は『熱』ですから、お湯で洗う事乾燥機は避けて下さい。

 カシミアシルクは毛玉が殆ど出来ない。僕、物の扱い丁寧じゃないし、どちらかというと粗めでケアしている。すぐ壊れるものに興味ないです。

 クルーネックはカットソー感覚で着て頂けると良いかなと。結果的に丸首が売れてますけど、ロンTだと思っても良い。まっぱで着る人もいるくらい、肌触りもいい。

 

トモ・クルーズ:
 え?普通のオシャレ着洗い、家の洗濯機でいけるんですか?。それは驚きだ。どれくらいタフ頑丈な物なのか、淺野さんが2、3年使った物と比べさせて下さい。

 

Salute+ 淺野:
 いいですよ。送ります。

 

(左:新品、右:淺野さん所有の3年モノ)

 

トモ・クルーズ:
 上の写真が比較です。左側が新品のタートルネック。右が3年間着用して洗濯機で洗ったままのタートルネック。

若干表面の毛が立っているかな?と思うだけで、着用しても縮みもない。

これがカシミアシルクの魅力であり、激レア編み機で作られるサルーテピウの実力なんだと思いました。

 

 

Q:実際、トモクルーズさんが普段使いしてみての感想は。

トモ・クルーズ:
 今回はブラック・タートル1着にさせていただきましたが、私が軸足を置くクラシコファッションとの相性が抜群に良いです。

ハイゲージですと、◯ルチ◯ーニを所有していますが着心地・独特微細な艶・パターンの点で3倍の価値を感じます。

 

Salute+ 淺野:
 自分自身がこのニットのファンなんで、真夏以外、年300日以上は着てるんです

 儲かっていないけど、モノ好きな人達と絡んで行きたいとなると、その方が僕にとって有利。スピード感が全く無いんですけども、珍獣に関わるとなると。

 あと、オッサンになったら、気がついてもらう必要ない、自己満足の世界でいい。だから、ロゴもタグも付けず。

 

 

(↑クラシック・スタイルにドンズバ)

 

トモ・クルーズ:
 それでも、こんなに良いものなんだから広く知って貰って、多くの方々にその価値を知ってもらえたら良いのに!と思いますけども。

 

Salute+ 淺野:
 語弊なく伝えるの難しいんですけど、オーダーする側に手間かけてもらう。間口広くすると変な人が入って来ちゃう。良いお客さん、『こればっか着ているよ』と言うお客さんとやっていきたい。

 「品物の質を保つにはお客さんの質も保たないと」と考えています。

 

 

Q:淺野さん、やっぱり珍獣です(笑)。この記事読んで欲しいって言う方はどうすれば良いんですか?

 

トモ・クルーズ:
 ホント。通販で買えない、ディストリクトは予約完売、欲しい人はどうすれば良いんですか?。僕は親友が淺野さんとビンテージハーレー仲間だったので手に入れられましたけども。

私、すでにクルーネックを買い足したい気持ちになっているんですが。

 

Salute+ 淺野:
 そこは今までと同じです。本当に興味を持って下さる方にお手間頂いて、FacebookのMessenger(メッセンジャー)でのコンタクトでお願いします。

行商はお声がけ頂ければ行きますよ。先日も地方に行ってきました。

ただ、ファクトリーとの関係で納品までかなりお時間いただくこともあります。

 

Q:さすが、ブレない。

Salute+ 淺野:
 人が手に入れられない素材と日本一薄く編み立てていて、素材もレアで編み機も超希少。こんな面倒くさい事する個人はいない(笑)

 宣伝広告費も無いから0円F.Bで口コミ。生地屋さんも附属屋さんもデザイナーも販促担当もPRESS担当も営業担当も物流担当も経理担当も居ないし、店舗も無い。

 会社員の時には内線電話1本で済んでた事が全て自分自身で仕切り直しのマニュアル方式になっただけのハナシで。

 加えて、各担当に抱いてた数多の仕事の仕方の文句やらともコレでキレイさっぱりオサラバ。 何故って今度は実働部隊に居るのは自分1人なんですから、”自分の理想”を追求するだけなんです

かなり無茶なお題だけど(笑)

 コレで売れなかったら僕のセンスがないってことの証明になっちゃう。10年やり続ければ何とかなるだろうって。イメージした事を淡々とやっているだけ。

 不安もあるけど、それは雇われていた時もあって。こんな価値観っていつまで持つんだろう?って、人はどこにいたって不安を持つんですよ。

 コレで食えるか食えないか?コケるなんて全く考えていない

 

 

(↑超お宝クラスのヴィンテージ・ハーレー)

 

トモ・クルーズ:
 ニットもですが、漢として淺野さんのことが好きになりそうです(笑)。

私のインスタ等のSNSで繋がりのある業界の方から“繋ぎの依頼”があったらお繋げさせてください。

あと、あの最後になんですが…、淺野さんの白いサングラスかけてハーレー跨らせて貰って良いですか?

 

Salute+ 淺野:
 どうぞ(笑)。ギャグでタグつけてこのハーレー買おうかな?ってSNS発信されたら、ヴィンテージハーレー業界がざわめきますよ、多分(笑)。

Thanks to S.O

 

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Salute+(サルーテピウ」。

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