おはようございます。
なおきです。
外出の抑制とともに,服飾に対する旺盛な物欲も抑制され,ここ最近,目立った服飾アイテムはほとんど買っておらず。その代わりに,服飾以外の周辺アイテムを見つめ直すことが多くなり,自宅の靴べら買い直したり,不足していたマイネッティを買い直したりと,メンテナンス用品等を見直す機会になりました。
ところで,服飾好きのだいたいの方が,家に閉じ込められたらやるであろうことの一つが靴磨き。
漏れなく私も日頃放置していた我がレギュラー陣たちを久々に磨き切ったのですが,その最中に感じ取ってしまったのが,靴クリームでもなければ磨きブラシでもなければ,何かと言えば,
シューツリー。
そして今回私が出会ってしまったのが,我らが日本から革命児のごとく生まれた,その名も
こちらのシューツリー,「株式会社エス・アイザックス商会」さんという,靴クリーム等のケア用品で有名な「Collonil」等を扱っている代理店さんが作ったシューツリー。同社はMARKEN社のディプロマットというシューツリーを扱っているのですが,より良いシューツリーを作るべくと立ち上げたブランドがこの「BRIGA」とのことです。
靴を取り纏めている某サイトで見かけて,これはヤバイ!!と思い,速攻でポチってしまったのですが,期待以上の出来栄えに正直ビビりました。(笑)
じゃあどこか違うんだ??何が違うんだ??って話ですよね。実はメーカーの担当の方にもお話しを伺ったのもありますが,その違いについて簡単にご紹介します。
ではこの画像をご覧ください。
手前がMARKEN社のディプロマットヨーロピアン,奥が革命児BRIGA。
お分かりになりますか?そう,甲の高さが全然違うんです。
この美しい曲線美。元の木型をここまで美しく削り出した技術もさることながら,その木型を使って量産する能力。業界ど素人の私でもその技術力の高さはビンビン伝わってきます。
一方で,甲の高さが高い代わりに横幅も太くなったかと言うと実はそこまで太くないんです。
つまり,今までの横幅にテンションをかけて履きシワを伸ばすという考え方から,実際の足の甲を描くように,なだらかに曲線的に高くなり縦方向にテンションをかけることで,無理なく履きシワを伸ばそうという,そんな目論見なんではないかと言うのが私の考えなんです。要するに,キャンプ用のテントのように縦に張る,そんな理屈でしょうか。
横に張る必要がないのでもちろんスプリットタイプにしなかったとこと。このタイプって高級靴の純正ツリーによくあると思うのですが,なるほど,合点がいきました。
右二つがスプリットされているもので,一番左がスプリットされていないBRIGA。
スプリットタイプだと横に変なテンションがかかり過ぎたり、クリームを塗っている時にスプリット部分だけムラになった経験がある方も多いのではないでしょうか。
とはいうものの,最初は単純にこのツリーそのものの見た目の良さと,インシューズした佇まいに惚れてしまったのがきっかけで,買ってから気づいたことや担当さんに伺ったのが先ほどの話です。
甲が高いせいもあって佇まいも綺麗に見えるんですよね。そのまま脚が入って立っているかのように。
それにしても,シューツリーって,ほとんど代わり映えしなければ今まで大きな進化もしていない気がするんです。浅い知識ですが,私が知る限りでは,スレイプニルのツリーが若干モデルチェンジした程度。その旧態依然し界隈に,機能性と美しさを進化させて登場すれば,革命以外の何モノでもないですよね。
そして,私の次のお気に入りのポイントがこちら。
それは,かかとの太さ。これ結構大事なんです。昔,安いツリーを買ったらかかとが太すぎて,かかとがガバガバに拡がってしまっまい,履き口の見た目も乱れてしまったという苦い経験をしていたので,ここは私にとって絶対のポイント。
この点,BRIGAは十分な細さ。担当の方に伺ったところによると,レングスにテンションをかけすぎないように調整されているとのことです。確かにレングスにテンションがかかりすぎていると,抜き差しもしづらいばかりではなく,インヒールの革や縫い目ににダメージを与えやすくなると感じていたのが私の経験則。そのあたりも抜かりないところがさすがです。
そして,素材は檜科の西洋芳香杉を使用しているとのこと。西洋芳香杉と言えばアロマオイルの原料にもなっているそうで,アロマティックシダーと呼ばれる所以ですね。香りはキツすぎずほんのりとスギの檜の香りがします。
ちなみに,BRIGAのツリーはニスの仕上げはなされていません。ニス仕上げのものは,ツリー自体のひび割れを防ぐ等の品質の安定化と、見た目の高級感を求めた結果だと、昔何かで見たことがあるのですが,その分香りは全くしてくれませんし,吸湿性や除菌性についてもやや疑問符がつくところです。
ニスありのもの。
ニスなしのもの。
もちろん,ニス仕上げのものがダメという話ではなく。裏を返せば,ひび割れのしないツリーを安定的に作れるということですね。この点,ニス仕上げの方が表面が滑らかな分,出し入れが滑らかな感じは一長があるかなと。
BRIGAは素材の持つ香りや吸湿性などの特性を活かして,品質も安定させる。さすがです。
ところでこちらのBRIGA,この私のものはレースアップ仕様のもので,その他に,ローファータイプのものとブーツタイプのものがラインナップされています。
右がローファー用で、左が私が購入したレースアップ用。ローファータイプの方は持ち手が丸くくり抜かれています。そもそも今まで,レースアップとローファーではそのフィットのさせ方が違うのに,ローファー用というツリーがなかったので,それ自体にもありがたいです。
そして手前がブーツ用。
それでは、ローファータイプはというと。
ローファータイプのものは,ローファーの甲周りの面全体でフィットさせるローファーの機能を殺さないように,レースアップタイプのものよりもやや甲の高さが抑えられているとのことです。その代わり,面全体のフィット感を高めるために,通常のツリーよりも甲の面が広くとってあり,タンの先端近くまで迫っています。
タンの先端まで迫ってきているのがお分かりになりますでしょうか。
ローファーは面でフィットさせる。こういったこだわりもさすがですね。
そして,ブーツ用。こちらのツリーは,私の拙い文章ではとても表現しきれないほど革命的なツリー。
担当の方にシューツリーの入れ方を実演してもらいました。
実はこちらツリーのすごい所は,幼稚園児程度の手の力があれば楽チンに入ってしまうその凄さ。
その良さを表現するには画像よりも動画の方が伝わると思いましたので、動画にて紹介予定です。
実は撮影まで終わっているのですが,編集等もあひ発信はしばらくお待ちくださいませ。テンションがどうのこうのという話だけではない,考え抜かれた素晴らしさがあるんです。
いや,日本人のもの作りって本当にすごいなぁとつくづく実感しました。
さて,そんなこんなで,シューツリー。気になる値段はというと,レースアップタイプのものとローファータイプのものが税込¥7480。
決して安くはありませんが,半永久的に使えるもので,なによりツリーより高い靴を安心してケアできると思うと,そこまで高い金額ではないと思っております。価格相応ないしはそれより以上にコストパフォーマンスに優れていると実感しております。
どのシューツリーを選ぶか悩んでる方や今のツリーに不満がある方,また,今まではとは違うツリーを試したい方,深夜のテレビショッピングみたいな美辞麗句を並べましたが,大袈裟ではなく本当におすすめです。
ちなみに現物は,東急ハンズさんにて現物が置いてあるとのこと。ネットでは,こちらで販売しているそうなので,興味がある方は是非。ネットからの購入はこちら。
あと,実はこんなものもすごかったり。
これもかなりやばいのですが,それはまた別の機会に。。。
ではでは今回もありがとうございました!!